千花ちゃん、さようなら。

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山岸凉子先生の長編バレエ漫画、
「舞姫 テレプシコーラ」の最新号の感想を書きます。
※ネタバレ内容を含みますので、ご注意くださいませ。※

千花ちゃんが飛び降り自殺で亡くなった。
虚構の世界の人物なのに・・・・・・と、思うのに、何とも言えず
心が痛んでしかたがない。
大好きな子だったのに、悔しい、残念としか言いようがありません。
知り合いの少女が突然亡くなったような、やりきれない
哀しい気持ちでいっぱいです。

あの世とこの世の境「トゥオネラ」で踊っている千花ちゃん。
怪我をした足を気にせず、自由に心のままに踊っていた。
なんとも美しく幻想的に描かれたけれど、
でも、どこか寂しそうな表情だった。
それはそうだよね。ひとりぼっちだもん。。。。
ずっとあんな寂しい場所でひとりで踊り続けるのか・・・・。
六花ちゃんが、迎えに行ってあげるところもラストシーンで描いてほしい。
じゃないと、やりきれないよ、本当に!

バレエという芸術の悲劇性がお話の軸にある。
「踊りたいものが踊るのではない。
選ばれたものが踊る。それがバレエなのよ」という台詞が作中にありました。
恵まれた体型、体質。美貌。経済力。もちろん、才能も。
すべてが揃っていても、努力が必要で、指導者との巡り会いも必要で
そしていつも「怪我」が隣り合わせにある。
美しく華やかな舞台、バレリーナの笑顔の影に、
どれだけ多くの人の挫折、汗と涙があることか。
舞踊の神「テレプシコーラ」に、運命的に選ばれたものだけが踊れる・・・・・。
だからこそ、バレエはたぐいまれな感動を与えてくれるのだ
ということを繰り返し考えました。

バレエの悲劇性を描くために、
「選ばれなかったもの」千花ちゃんを自殺させなくてはいけなかった。
でも、なぜ自殺するのか、そのリアリティを描かなくてはならなかった。
「中学生が自殺すること」がどれだけ重いことが作者にはわかっているから、
自殺しなくてはいけなかった理由を、何巻にもわたって、
執拗に描いた・・・・。

頭ではわかっているのですが、その過程において、
千花ちゃんというキャラクター造形があまりに優れていたことによって
心から彼女を好きになってしまったのです。

美しくて才能があって努力家で。
芯がしっかりしていて、賢くて、家族を想う優しい子。
それでも「選ばれなかった子」、・・・・千花ちゃんを心から悼みます。
そして、「選ばれてしまった子」六花ちゃんが、
あのおっとりちゃんの性格から、姉の遺志を背負うことで
これからどのような変貌を遂げるのか。
この先の展開もぞくぞくするほど楽しみです。

でももう、千花ちゃんいないんだ。
ひたすらさみしい・・・です。
お話としては破綻したとしても、私はやはり、千花ちゃんに、
生きていてほしかったな。
(幽霊でもいいから出てきてくれないものか)
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by kawaiicheeky2004 | 2006-07-08 12:01 | 本とか観劇とか

ランジェリーフリーク(最近さぼりぎみ)なusagiのブログです。綺麗なものに目がなくて、自然なものもすき。飼いねこバニラを溺愛しています。最近はカラダのお手入れに凝っています。
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